最近では新築の住宅に太陽光発電を搭載する事が普通になってきました。ただ、2010年代のように売電価格が高くないために、売電を目的とする事はほぼありません。
太陽光発電は基本的には昼間に発電します。でも昼間はあまり家ではで金を使いません。更に売電価格も安くなってきたとすると、蓄電池を導入して発電した電気をできるだけ家で使う、という考え方は理にかなっているように思えます。果たして本当でしょうか?
蓄電池と太陽光発電を導入した場合の簡易的なシミュレーション
○条件:太陽光発電:8kw 蓄電池:10kw(実効9kw) 蓄電池価格:130万円 当初10年の売電価格:16円/kw その後の売電価格:8円/kw
グラフの説明
容量10kwの蓄電池は過放電防止や緊急時の為に実質9kwしか使えません。
太陽光で発電した電気を毎日9kw蓄電して夜~朝に使うとしたら
一日当たり9kw×30円=270円
お得になるように見えますが、蓄電しない場合16円/kwで売電できるはずなので
一日あたり9kw×(30円-16円)=112円お得という計算ができます。
これを月間に換算すると
126円×30日=3,780円です。
これを蓄電池によるメリットとして積み上げたのがこのグラフです。
蓄電池は劣化していきます。15年で66%まで劣化した場合も考慮しています。
11年目から売電価格が下落するため、もう少しお得度が上がります。その為2035年からグラフの角度が急になっています。
ただ、10kwの蓄電池は100~150万円しますので、元は取れていません。蓄電池の耐用年数は15年前後とされていますし、たとえ20年使えたとしても元を取る事は難しそうです。
結論
太陽光発電は電気を生み出しますが、蓄電池は生み出された電気をためるだけの物なので、「元を取る」という考え方は今の所できず、災害時用と言えるでしょう。
ただ、災害が起こる確率と蓄電池の費用を考えると、その費用を別の形で使った方が賢いかもしれません。
※深夜電力を蓄電して朝使う、というサイクルは考慮しておりません。これを考慮するともう少しお得になる可能性もありますが、大きく考え方が変わるほどの影響はないと思われます。