こんにちは。代表の太田です。
2026年夏、飯田市大瀬木にオープン予定のモデルハウス。
これまでのブログでは、間取りや空間のこだわりについてお話ししてきましたが、家づくりにおいてお客様が(そして私たちプロも)最も頭を悩ませるポイントの一つである「色決め」。今回は、社内打ち合わせでスタッフ同士が大激論を交わした、「外観の色と素材の組み合わせ」のリアルな裏側をお届けします。
「本物の木」と「木目調シート」は合わせるのが難しい
今回のモデルハウスの外観は、SUMIKA Labの標準仕様である塗り壁(エコサーム)をベースにしています。左官職人がコテで仕上げる塗り壁は、それだけで上質な雰囲気を作り出してくれます。
そこに木の温もりをプラスするため、長野県産の「根羽杉の無垢板」をどこかに張りたいと考えていました。一方で、利便性を考慮して採用したスマートロック搭載の玄関引き戸(LIXIL エルムーブ)は、温かみのある「木目調」のデザインです。
ここで、設計・コーディネートチームの間に緊張が走ります。「本物の木」のすぐ近くに、「木目調の工業製品(玄関ドア)」が来る。これって、色がケンカしないか…?
工業製品の木目プリントは精巧ですが、本物の無垢材と並べてしまうと、どうしても違和感が出たり、お互いの良さを消してしまったりするリスクがあるのです。
シミュレーション画像を作って終わらない議論
頭の中で考えていてもらちが明かないため、パソコン上でパース(完成予想図)をいくつも作成し、社内の打ち合わせでシミュレーションを行いました。
【ここで画像を挿入:26/02/24モデルハウス玄関ドアと外壁検討(スクリーンショット 2026-03-06 153835.png)】
「軒天(天井)に木を張ると、ドアの木目とぶつかって主張が強すぎる…」 「いっそドアの木目をもっと明るくして、あえて色を外す?」 「いや、逆に壁一面だけ木にするのはどうだ?」
画面を見比べながら、「ああでもない、こうでもない」とマニアックな議論が続きました。
悩み抜いて出した「4つの結論」
激論の末、最終的に選んだのは、左下の案をベースにした納まりでした。プロとしてのこだわりを詰め込んだ、4つの決定事項がこちらです。
1. 軒天井はあえて「塗り壁」にする
当初は軒天に木を張る案が有力でしたが、玄関ドアの木目と干渉してしまうため、天井はスッキリと外壁と同じ塗り壁(エコサーム)で仕上げることにしました。
2. 玄関引戸の高さと、軒天の高さをピッタリ合わせる
これが設計のちょっとした、でも非常に重要なこだわりです。玄関引戸の上端のラインと、軒天井の高さをピッタリ揃えることにしました。これにより、空間の無駄な「線」が消え、スッキリとシャープで美しい玄関ポーチになります。
3. 根羽杉は玄関ドア「両サイドの壁2面」に張る
本物の木の温もりは、天井ではなく「壁」で表現することにしました。玄関ドアを挟み込むように、両サイドの壁2面に根羽杉を張ります。
4. ドアの「クリエモカ」に溶け込むように、根羽杉を「ウォルナット色」で塗装する
玄関ドアの色は、落ち着きのある「クリエモカ」に決定しました。そして、その両サイドの壁に張る根羽杉には、木材保護塗料「キシラデコール」の「ウォルナット色」を採用しました。本物の木と木目調シートという異素材でありながら、根羽杉をクリエモカに自然に溶け込む色合いに仕上げることで、ケンカせずにそれぞれの良さが引き立つデザインに落ち着きました。
たかが色決め、されど色決め。
なんとなく決めてしまうと、実際に建ち上がった時に「なんか違う…」となりがちです。だからこそ、私たちは線の1本、木目の入り方や塗料の色ひとつに執念深くこだわっています。
この悩み抜いた玄関ポーチの空間。 実際のモデルハウスでどう仕上がっているのか、ぜひ現地で「あぁ、線の高さが揃って色が溶け込んでいるな」と答え合わせをしてみてください!