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モデルハウス|「盛土規制法」という高い壁。少しマニアックですが、家づくりの裏側のお話です。

こんにちは。代表の太田です。 
SUMIKA Labが2026年夏、飯田市大瀬木にオープンするモデルハウス。
これまでのブログでは、景色の良さや間取りのこだわりなど「ワクワクする話」をお届けしてきましたが、今日はちょっとマニアックで、でも家づくりにおいて避けては通れない「法律の話」をしようと思います。

その名も、「盛土規制法(もりどきせいほう)」です。
わかっていたけど、甘くなかった…。

この法律、正式名称は「宅地造成及び特定盛土等規制法」。
静岡県熱海市の土石流災害をきっかけに作られた法律で、危険な盛り土や切り土による災害を防ぐため、一定規模以上の盛土等を行う場合は、事前に許可または届出が必要です。長野県では2025年5月26日から運用が開始されました。

実は、モデルハウスの土地を探している段階から、「この法律が始まること」自体はわかっていました。 今回の計画地は、
• 敷地面積が500㎡を超える
• 造成による切土・盛土の高さが2mを超える
という条件に当てはまるため、規制の対象になることは覚悟していたのです。

「新しい法律だし、しっかり対応すれば大丈夫だろう」 当初はそう思っていました。

しかし、いざ5月に法律が施行され、実務がスタートしてみると… 「やったことのないことだらけ」 という現実に直面しました。

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天野、覚醒する

何が大変だったかというと、「擁壁(ようへき)の構造計算」です。

※擁壁:斜面や高低差のある土地で土砂の崩落を防ぐために設置される壁状の構造物

これまでのルールでは簡易な検討で済んでいたような、高さ50cm程度の低い擁壁であっても、この法律の下では「すべて構造計算をして安全性を証明しなさい」と求められます。
運用が始まったばかりで、行政側の審査基準も手探り状態。 さらに、申請業務を外注しようにも、対応できる業者さんがほとんど見つからないという状況でした。

そこで立ち上がったのが、設計・構造担当のスタッフ天野です。 「外注できないなら、自分たちでやるしかない」と、盛土規制法の技術基準を一から勉強し、社内で構造計算から申請書類の作成まで完結できる体制を作り上げてくれました。
行政の担当者さんと何度も事前相談を重ね、「どうすれば安全性を証明できるか」を同じテーブルで悩みながら進める日々。 正直、かなり苦労しました。

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苦労の末の「許可」

そんな奮闘の日々を経て、
・6月の事前相談からスタート
・10月上旬に本申請
11月末、ようやく無事に「許可」が下りました!

相談開始から許可まで約5ヶ月。
通常の確認申請とは比べ物にならない時間とエネルギーを使いましたが、おかげで胸を張って言えることがあります。

「このモデルハウスの地盤と擁壁は、法律に基づいた厳しい計算をクリアした、間違いなく安全なもの」です。

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この経験は、お客様のために

今回の経験は、単なる苦労話では終わりません。 今後、飯田市で家づくりをするお客様の土地が、もしこの規制にかかったとしても、 「SUMIKA Labなら、社内でしっかりと安全性を計算し、許可を通すノウハウがあります」 と自信を持って言えるようになったからです。

完成したモデルハウスを見ても、埋まってしまった擁壁や地盤の苦労は見えないかもしれません。 でも、「見えない部分の安全性」にこれだけの熱量を注いだ家だということを、少しでも知っていただけたら嬉しいです。

マニアックな話にお付き合いいただき、ありがとうございました! 次回はまた、建物のこだわりの話に戻りますね(笑)。

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