こんにちは。代表の太田です。2026年夏、飯田市大瀬木にオープン予定のモデルハウス。
これまでのブログで、間取りや景色へのこだわりをお話ししてきましたが、今日は少し視点を変えて、家づくりの「超・マニアックな裏側」をお見せしたいと思います。
テーマはズバリ、「洗面台の数センチの攻防」です。
SUMIKA Labの社内打ち合わせでは、お客様には見えないところでスタッフ同士が数ミリ・数センチ単位の激しい議論を交わしています。今回は、そんな「終わらない社内打ち合わせ」のリアルな風景をお届けします。
「壁出し水栓」と「一体型カウンター」の絶対条件
今回のモデルハウスでは、幅が1800mm(1.8メートル)という、かなり広々とした洗面台を採用します。大人2人が並んでも、ゆとりがあるサイズです。
洗面台を選ぶにあたり、私たちがどうしても譲れなかった条件が2つありました。
1つ目は、掃除のしやすさ。
水栓の根元に水垢がたまりにくい「壁だし水栓」であること。
2つ目は、見た目の美しさ。
継ぎ目がなく、すっきりとした「ボウルとカウンターが一体型であること。
しかし、この2つの条件を満たしつつ、デザイン性も高い既製品の洗面台を探してみると……
なんと「エクレアパーツ」というメーカーの製品しか選択肢がないことが判明したのです。
エクレアパーツの規格の壁。ボウルは「ど真ん中」一択?
メーカーは「エクレアパーツ」に決まりました。
次の議題に上がったのが、”1800mmの幅に対して、ボウル(洗面器)をどこに配置するか?”という問題でした。
当初は「ボウルを端に寄せて、空いた側を広いカウンターとして使おう」と考えていました。
しかし、エクレアパーツの規格で1800mmのカウンターを作ろうとすると、構造上どうしてもボウルが「ど真ん中」に来てしまうのです。( 無理に左右に寄せると、数十センチ単位の中途半端なスペースができてしまうことがわかりました。)
「それなら、いっそ潔く”ど真ん中”にドーンと置こう!」という結論に。
…ところが今度は、「真ん中に置くと、両脇のスペースって絶妙に使い道がなくなりませんか?」という新たな問題が浮上しました。
1800mmだからこそ叶う「座ってメイク」スペース
そんな中、転機が訪れます。
「待てよ。幅が1800mmもあるんだから、ボウルを真ん中でも、両脇に十分なスペースが残るのでは?」
計算してみると、ボウルの両サイドにしっかりとした広さのカウンターが確保できることが分かりました。
そこでコーディネーターの内山から出た提案が、
「カウンターの下の棚板を途中で切って、足を入れる空間を作ろう」というものでした。
足元にスペースを作れば、椅子を置いて座ってメイクができる場所になります。
ボウルが真ん中に来てしまうという「制約」が、結果的に”ホテルのようなパウダースペース”を生み出すきっかけになったのです。
三面鏡とオープン棚、そして「タオル掛け」のパズル
配置が決まり、両脇のスペースの活用方法も見えてきました。
鏡と収納
1800mmの幅に対して、1200mmの大きな三面鏡を真ん中に配置。鏡の横に残るスペースには、幅300mmのオープン棚を造作することにしました。
素材のこだわり
カウンター下の棚板や幕板は、プリントされた木目ではなく、本物の「タモの集成材(厚さ20mm)」を使用します。
そして最後に、もう一つ問題が。
「ボウルを真ん中にして横に棚を作ると……壁のタオル掛け、遠すぎませんか?」
手を洗ったあと、タオルを取るために一歩横に動く距離になってしまったのです。
激論の末、出た結論は——
「タオル掛けをあえて設置しない」
広いカウンターがあるので、最近人気のペーパータオルディスペンサーを置く方が、衛生面や掃除のしやすさの点でも、今の暮らしに合っているのではないかと判断しました。(下地を入れて、必要な場合にタオル掛けを掛けられるようにもしました)
いかがでしたでしょうか。
「たかが洗面台」と思われるかもしれません。
しかし、毎日家族が使う場所だからこそ、私たちは図面上を何往復もして、メーカーの規格と格闘しながら議論を重ねています。
スタッフたちのそんな苦悩(?)が詰まった、1800mmの造作洗面台です。
完成した際には、ぜひ現地で「あぁ、この絶妙なバランスはこうやって生まれたのか」と、裏話を思い出しながら座ってみていただけると嬉しいです!