長野県は冬は寒くて乾きにくく、梅雨などの長雨も多いので家づくりをする上でどこに干すか、どんな生活サイクルで干して取り込むか、悩ましい課題ではないでしょうか?
「洗濯物をどこに干すか」実は間取りを作る上でかなり重要な要素です。これが決まらないと間取りが決まらないといっても過言ではないほどです。
そこで、どんな物干しパターンがあるか、それぞれどんなメリットデメリットがあるかを紹介します。ご自分にあった方法を考えていただく参考にしてください。
1.室内物干し
物干しには大きく分けて室内干しと外干しがあります。
最近はご夫婦共働きの方が多いので、室内干しを選ばれる事がほとんどです。共働きじゃなくても物干しの手間を考えると室内干しをおすすめしています。
室内干しの場合はほとんどのパターンで除湿器やサーキュレーターが必要で、どちらもそこそこ騒音がでるので、寝室などへの室内干しはおすすめできません。
また、最近の除湿器は高性能な割に水を溜めておくタンクが小さいので数時間で満タンになって止まってしまいます。最近の除湿器にはホースを直結して排水できるものがあり(三菱サラリ等)、脱衣場で干す場合はお風呂へ直接排水できます。それ以外の部屋でも排水口を作っておくと非常に便利です。
それでは室内干しのパターンをいくつか紹介していきます。
1-1:室内専用物干し
おすすめ度★★★★★
ランドリールームとも呼ばれます。洗濯機を置く場合もあります。専用の部屋が必要なため初期コストは最も高いです。脱衣場からの距離を近くすることで手間も楽になるし、脱衣場がごちゃごちゃしないので、面積と費用に余裕があれば最もおすすめ。乾燥機を置くとさらに家事楽。
初期コスト ★☆☆☆70万~120万(物干し部屋費用+物干しポール)
ランニングコスト★★★★☆30~100円 / 1日(除湿器を使うとしたら電気代)
物干し手間 ★★★★☆
18時間で乾く量 ★★★★☆
1-2:室内兼用物干し
おすすめ度★★★★☆
廊下やワークスペース等と空間を兼用するため面積を節約できます。天井を高くしてナスタの「エアバー」やPanasonicの「ホシ姫サマ」等を使うと空間をさらに有効利用できます。除湿器やエアコンを併用して湿度を下げ、サーキュレーター等で風を当てることが乾かすコツ。
初期コスト ★★★★☆5万~70万(物干しポール他)
ランニングコスト★★★☆☆0~100円 / 1日(除湿器やエアコンを使うとその電気代)
物干し手間 ★★★☆☆
18時間で乾く量 ★★★★☆
1-3:脱衣場物干し(除湿器使用)
おすすめ度★★★★☆
脱衣場を少し広くするための費用が必要だけど、よくある広さの2畳から3畳へ広げるだけ。洗濯機から出してそのまま干せるので手間は楽。きれいに乾かす為には除湿器の選定とサーキュレーターなどを併用して風を回すことがコツ。除湿器はホースを繋いで直接浴室に排水できるタイプがおすすめ。
初期コスト ★★★☆☆30万~50万(脱衣を少し広くする分+物干しポール+除湿器)
ランニングコスト★★★☆☆30~100円 / 1日(除湿器電気代)
物干し手間 ★★★★☆
18時間で乾く量 ★★★★☆
1-4:脱衣場物干し(衣類乾燥機あり)
おすすめ度★★★★★
床面積も節約できて洗濯機から直接乾燥機に入れるため手間もかなり楽。乾燥機の容量によっては結局部屋干しも必要になる。乾燥機の最大容量が8~9kgの為少人数(2~3人)家族にはおすすめ。乾燥機はヒートポンプ式の洗濯一体乾燥機か、ガス乾燥機の「かん太君8kg」がおすすめ。
初期コスト ★★★☆☆50万~70万(脱衣を少し広くする分と乾燥機費用+物干しポール+除湿器代)
ランニングコスト★★☆☆☆ 50~150円 / 1日
物干し手間 ★★★★★
18時間で乾く量 ★★★★★
1-5:浴室物干し(電気式浴室乾燥機)
おすすめ度★★☆☆☆
大体がユニットバスのメーカーオプションです。(その場合電気式)脱衣場に洗濯機があれば物干し手間はかなり楽。でも最大5㎏前後までしか干せず、電気代が高額になるのが最大のデメリット。本体のメンテナンスも割と手間。
ガスの浴室暖房乾燥機はパワフルで割とおすすめです。
初期コスト ★★★★★10万~20万(浴室暖房乾燥機+物干しポール)
ランニングコスト★☆☆☆☆100~300円 / 1日(ガス代 or 電気代)
物干し手間 ★★★★★
18時間で乾く量 ★★☆☆☆
外物干し
外物干しは少し前まで最もオーソドックスでした。でも夫婦共働きの今は外でしか干せない家はかなりストレスが溜まると思われます。どうしても外で干したい方もいますが、その場合でも室内干しのスペースを確保しておくことをおすすめします。
洗濯物干しは科学的にも結構奥が深く、「普段は外に干して寝室やリビングの空きスペースに干せばいいや」と思っていると全く乾かないという事も起こります。
また、外物干しはプランニング的にもどこに配置するか非常に難しく、よく言われる理想は南側ですが、大体リビングが南にあるので洗濯物を見ながら生活することになります。
実は洗濯物は日光で乾かすというよりも「風で乾かす」ものです。なので、北面でも晴れて湿度が低くそこそこ風があれば十分に乾きます。直射日光の紫外線で衣類が色あせするのも南側の外物干しをおすすめしない大きな要因です。
2-1:外物干し(屋根下テラス)
おすすめ度★★★☆☆
透明や半透明の屋根を外に取り付けるパターン。リクシルスピーネ等。屋根はあるけど雨が降ると結局室内干しスペースが必要です。例えば脱衣場やランドリールームの外にこういうスペースを作っておくのは費用はかかりますが、晴れた日曜日などは外にも干せるのでおすすめです。
初期コスト ★★★☆☆30万~100万
ランニングコスト★★★★★0円(晴れてれば)
物干し手間 ★★★☆☆(洗濯機との距離による)
18時間で乾く量 ★★★★★(晴れてれば)
2-2:外物干し(2階ベランダ)
おすすめ度★☆☆☆☆
昔ながらのベランダ。晴れた日にはカラット気持ちよく乾くし、1階と比べてプライバシーも確保しやすいけど、重い洗濯物を持って階段を上らなければいけない。個人的には無しだと思う。
初期コスト ★★☆☆☆40万~150万
ランニングコスト★★★★★0円 (晴れてれば)
物干し手間 ★☆☆☆☆
18時間で乾く量 ★★★★★(晴れてれば)
2-3:外物干し(サンルーム)
おすすめ度★★★★☆(寒冷地は★★☆☆☆)
ガラス等で囲われた半外の物干し。リクシルサニージュなど。長野県のような寒冷地では冬場に強烈な内部結露を起こすのが最大の欠点。
初期コスト ★★★☆☆50万~100万
ランニングコスト★★★★★0円
物干し手間 ★★★☆☆(洗濯機からの距離による)
18時間で乾く量 ★★★★★(晴れてれば)
組み合わせパターンもあり
コスト的には高くなる事が多いですが、室内物干しと外物干しを組み合わせる事も可能です。
ランドリールームの外にテラス屋根。ランドリールームの外にベランダ。等々。
女性設計士や女性コーディネーターの意見を聞いてみる
最近は女性が家づくりの現場で活躍することが増えてきましたが、まだまだ男性が多い世界です。僕たちのスタッフは男性3人女性4人で運営し、女性の意見を極力取り入れながら間取りを作っています。
この記事は代表の太田(男)が書いてますが、実は家庭では洗濯物干し担当。かなり実験しながら実体験を元に書いてます。
他社様で間取りを決めていて、もし男性が担当だった場合、一度女性スタッフに意見を求めてみるのもいいかもしれません。
間取り図鑑でもいくつかの物干しパターンを載せています。
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