Panasonicエオリアの新しいエアコンはどうなの?

最近テレビCMでPanasonicエオリアの新モデルが登場したと盛んに流れています。そのエアコンを数値上で評価してみたいと思います。
エオリアのHPはこちら

加湿と換気ができるようになったらしい

HPやCMによると、加湿と換気の機能が搭載されたようです。
加湿はこれまでダイキンの「うるさら」の専売特許でした。それに対抗しての今回の加湿機能と思われます。
換気に関しても昨年ダイキンがいち早く搭載しており、Panasonicは一歩出遅れた形です。

加湿性能

加湿の性能について考えていきます。
冬に加湿をしない全館暖房の家では湿度が10%代まで下がる事があります。その湿度を快適と感じられる40~60%まで高める事ができるのでしょうか?
答えは、「できる可能性はあるけど」です。
加湿能力は10畳用で加湿量560mL/hなので、通常の加湿器に引けを取らない能力と言っていいでしょう。2~4台を設置すれば加湿器としても使える可能性があります。

×加湿による電気代33000円/月!?

数値上は十分に加湿できそうに見えますが、少し細かく見ると完全に「×」な性能です。その理由は大きく2つ

①.560mL/hの加湿能力が出せる条件が、外気の湿度が86%の時。
日本の冬で外気の湿度がそんなに高い場所はほとんど存在しません。
外の湿度が20%下がると加湿能力も20%下がると記載されているので、43%になると半分の能力になってしまいます。
これでは絶対に、能力が足りません。

②.加湿時の消費電力が強烈!
これはかなり気を付けた方がいいポイントです。10畳用610mL/h加湿時の消費電力は0.85kw/h(850w/h)です。
0.85kw/h×27円×24時間=550円/1台
なんと、エアコン1台を24時間加湿運転すると1日あたり550円の電気代がかかってしまいます!!
これを2台稼働していたら
550円×2台×30日=33000円/1カ月!?
信じがたい電気代になってしまいました。
計算上ではあるので、実際はわかりませんが、
Panasonicさん。大丈夫ですか?

△換気能力

換気能力は小さい機種で30m3/h大きい機種で38m3/hです。
この能力はトイレの換気扇にも満たない能力です。
家全体に必要な換気量は120m3以上なので、エオリアだけでは確実に不足します。また、エオリアで換気する場合、自然排気口という口を作る必要も出てきます。
エオリアだけで家中を換気する方はいないと思いますが、新築時に24時間換気として使おうという考え方は持たない方がいいと思います。

△寒冷地仕様がない

加湿・換気ができるエオリアには寒冷地仕様がありません。最低気温が-5℃を切る地域で、エアコンで暖房しようという計画にはこのエアコンはそもそも適していないと思います。

結論:おすすめできません。

普通の家で、この機種を加湿や換気のために導入することはあまりお勧めできません。一番のネックは加湿の電力消費量です。
※ダイキンの「うるさら」もほとんど同じです。
「お金に余裕があって、加湿器のメンテナンスが嫌で仕方ない方」はこちらを3台~4台導入してもらうと快適な生活ができるかもしれません。
Panasonicさん酷評すみません。

エオリアのTXシリーズは寒冷地における暖房能力と、ダストボックスいらずのお掃除機能が魅力的なので、今後も採用していきます。
TXシリーズはこちら

飯田下伊那地域の工務店すむところ研究室 一級建築士太田

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