今年の4月14日と16日に発生した熊本の地震は記憶に新しい所です。今日も北海道地方で震度6弱の地震がありました。
今や日本のどこで地震が起こっても全く不思議ではありません。
私たちが住んでいる長野県も、栄村の地震、大町の地震、松本の地震とここ数年内でも大きな地震が起こっています。
飯田下伊那地方にもM7以上の地震を起こすとされている伊那谷断層帯、中央構造線、糸魚川静岡構造線などがありいつ大きな地震が起こってもおかしくない状態です。
地震で大きな被害がある度に議論されるのが、建築基準法の4号特例という特例措置です。これは簡単にいうと、木造2階建てまでの住宅で、建築士が設計したものであれば行政は構造のチェックをしなくてよいという、とんでもない法律なのです。さらには、ここ阿南町を含む飯田市や高森町の一部を除く地域では確認申請すら出さなくてよいという、ある意味無法地帯。。。は言い過ぎかもしれませんが、誰のチェックも入らないという事が起こっているため、4号特例の廃止の声が上がるのです。
ただ、これを廃止してしまうと、地域の工務店で耐震設計ができない会社が潰れてしまいます。
これを守るための法律なのです。
本題の当社の建てる住宅は熊本の地震に耐えられるか、という事ですが。。。答えは正直わからないという所です。
実際震度7の地震で壊れませんと言っているメーカーや工務店はありません。。。
ただその中でも、当社で建てる住宅は耐震等級2以上(ご希望とプランにより2〜3)で設計するようにしています。
この等級とは
等級1 震度6〜7の地震で損傷までは許容するが倒壊まではしない
等級2 上記の1.25倍の耐力
等級3 等級1の1.5倍の耐力
等級1では地震での損傷を許容しています。熊本のように震度7が2回となると、一度損傷した住宅にもう一度同程度の揺れが加わるのではっきり言って世界の耐震研究にとっても未知の世界だったと思います。
等級2以上はそのOO倍と言っているだけなので、正直わからないのが現状です。
だんだん熊本の被害が詳細にわかってきているので、等級が2以上の住宅がどの程度耐えたか明らかになってくると思いますが、某ビルダー雑誌が一部被災地を調査した結果は、数十棟の住宅が全壊する中、等級2の家屋が1棟だけ倒壊しているという途中経過が発表されてはいます。
ただ、一つ言える事は等級2以上は等級1に比べると数倍の時間と手間をかけて詳細に耐震の計算を行っているという事です。以下は耐震等級1と2・3の構造計算の内容を略図にしたものです。
等級1は壁面の耐力の検討しかしません。
等級2・3は屋根面(床面)の耐力も検討します。
どちらが強いかは一目瞭然かと思います。
等級1は壁がいくら頑丈でも蓋が空いているため揺れに対して水平に変形してしまいますが適法とされてしまいます。
等級2・3は壁に加えて蓋がどれくらい丈夫かも検討して基準以上でないと等級2以上を名乗れません。
皆さんは等級1の住宅と、2以上の住宅、どちらを選びますか???